諸外国の対応を見てみると、ドイツの銀行法改正案では、銀行以外の業者が電子マネーの発行等の業務を行う場合には銀行免許が必要であると規定しており、実質的には電子マネーの発行等は銀行のみに限られている。ただし、電子マネーの発行業務のみを行う場合には、一般の銀行業務を行う場合に比べて監督・規制の内容も緩和されている。また、英国ではオリジネータと呼ばれる、銀行とは異なる電子マネー発行専門の法人が発行業務を行っているが、オリジネーターに対する出資は銀行に限定されている。
一方、米国では電子マネーが発展途上にあることから民間のイニシアティブを削ぐような監督・規制は好ましくないとの見方も出ている。
b) 対抗用件の問題
電子マネーの債務履行方法が預金払戻請求書であるとみなせば、民法第467条により指名債権譲渡の対抗用件として確定日付のある通知または、承諾を要する。また、自己あて小切手とみなせば、小切手としての要式具備(小切手法第1条)や支払呈示期間の問題(小切手法第29条)が生じる。また、前払式証票(プリペイドカード)とみなせば、前払式証票の規制等に関する法律(プリペイドカード法)では特定の加盟店における代金の弁済を前提としており、電子マネーが想定するような単なる送金や加盟店が受け